[グローバルとパーソナル] 基盤としてはグローバル(普遍)であらねばならないが、末端的には、個別化の要求に沿わねばならない。日本は、今の家電業界が端的に示すように、グローバリゼーション(普遍化)の面でも、パーソナライゼーション(個人化)の面でも遅れ…
[集合知というアゴラ] 集合知というアゴラ(古代ギリシアの国家における民会の開催場所)を形成する者・組織(例えば、ヤフー、Twitter、Facebook、少し違うがアマゾン、規模が小さいが、日本では、楽天、cookpadなど)が、今後ますます主役の座につき、さらなる…
[国境の破壊者] 全世界を股にかける商社アマゾンや、情報と情報基盤を提供するグーグルは、国境を破壊する、崩壊させる、破壊者であり、かつまた、新しい世界の創造者でもある。 [アマゾンやグーグルは創造者] アマゾンやグーグルは、単なる破壊者ではなく、…
[TPP不参加は鎖国化] 今、日本でTPPの参加が問題になっているが、これも国際化の流れの一環である。TPP不参加は、孤立化、村八分化でもある。TPP不参加は、鎖国化への道ともなる。今時の鎖国化は、北朝鮮に見られるような、極端な貧困をもたらす。散逸構造論…
[楽天やユニクロ] 楽天は、英語を社内共通語とすると宣言した。ユニクロに至っては、いずれ世界同一賃金にすると発表した。アマゾンは、全世界でネット通販を展開する。FacebookなどSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス:social networking service)…
[一般人による受発信] そういう意味では、一般人は、今まで与えられるだけであった教義(生活指針)を、発信する側にも回ったということが言える。ということで、集合知は、初めて、すべての人々(全世界)が、受発信する、世界解釈書だとも言える。 [集合知の大…
第十二章: ネット(通信)中心の文化文明 [ネット(通信)中心の文化文明] 西洋の衰退や科学技術がもたらす負の側面によって、科学的知識や技術一辺倒の文化から、草の根的なネット(通信)中心の文化文明へと移行が始まっている。この文化文明のキーワードは、共…
[科学技術は善悪の彼岸] 勿論、実際には、科学技術自体が悪いのではない、単なる科学技術は善悪の彼岸にある。逆から言えば、科学者が安全などという評価的言葉は使うべきではないと思う。確率だけで表現すべきだったのだ。この辺りから、御用学者という言葉…
[科学技術への信頼が揺らぐ] 3.11によって、自然の猛威の圧倒さを見せつけられて、人間の自然への優位性への思い上がりと、科学技術への過度の信頼と、科学者技術者を無批判的に信頼することへの確信が、根本から揺らぎガラガラと崩れて行った。 [世論調査] …
[枯衰を前兆する出来事] またまた、早々と歩を進めるが、科学技術中心の文化文明の枯衰を前兆する暗示するような出来事が最先端国アメリカで発生した。即ち、進歩を誇示するかのような巨大ビルがもろくも崩れ落ちた。つまり、2001年9月11日にアメリカ合衆国…
[より普遍性を高めた科学知識] 確かな証拠をもって証明するという実証を重んじる科学的知識は、いくつもある宗教を超えて、更に普遍性を備えた、高めた世界解釈書となった。特に、17世紀に誕生した、ニュートンは、近代科学文明の成立に多大の影響を与えた。…
第十一章: 科学技術中心の文化文明 [科学技術中心の文化文明] 時代の変化から生まれた宗教的・社会的大変動という混沌から、科学技術中心の文化文明が西洋に起こった。かくて、西洋主体に生まれた科学知識に従って世界を解釈する時代が到来した。 [それでも地…
[民族的神話] ほとんどの民族では、世界を解釈するための、解釈を統一するための、神話が生まれた。神話とは、現代的に言えば、思考・思想を統一するための教科書である。世界を理解するための参考書であった。日本も例外ではない。仏教が伝来するはるか前か…
[アヘン戦争] 中国でのアヘン戦争が挙げられる。だが、アヘン戦争自体は、宗教の衰退と直接関係はない。ただ東洋(文化)の西洋(文化)への敗北を象徴する出来事である。日本では、それに匹敵するのは、黒船の来航であろう。アヘン戦争や黒船の来航は、西洋の科…
[その頃日本では] 日本列島では、2〜3世紀に存在したとされる国のひとつ、邪馬台国(約30の国からなる日本の都)は、卑弥呼(呪術を司る巫女のような人物)が治める女王国であった。この状況も、知の中心に宗教があることを示している。 [前期と後期の宗教] 宗教…
第十章:宗教を中心とした文明文化 これまで(第九章で)は人類以前の知を見てきたが、ここからは、人類にとっての主役となる知の交代劇を見ていきたい。 [仏教の誕生] インドでは、仏教が誕生した背景に、従来の盲信的な原始的宗教から脱しようとした、ことが…
[赤ん坊の脳] だから、人間においても、赤ん坊の段階では、誕生前からすでに大脳新皮質が存在していても、その部位には主役となって判断できるほどの体験知(後天的情報)が蓄積されていない。つまり、赤ん坊段階での大脳新皮質は空っぽの貯金箱にすぎない。 […
[大脳新皮質が担う文明文化] この本のテーマである文明文化を創造する能力は、主にこの大脳新皮質が担う。人間の場合には、大脳新皮質が主役になることができるが、哺乳動物である犬や猫では、大脳新皮質が主役の座を奪うことができない。それは、大脳新皮質…
[道徳とは] では、道徳とは一体何なのだろうか。それは、大きな集団である社会や共同体において、より健全で快適な共同生活を送るために、その構成員の大多数によって認知共有され、守るべき、あるいは、実行されるべきと考えられている態度の規範、行動の指…
第九章:文化へ流れ込む知の源泉 [宗教中心の文明文化] 釈迦は紀元前5世紀頃に、キリストは紀元元年(?)に誕生した。その頃に、宗教(キリスト教、仏教・儒教など)が中心の文明文化が生み出された。世界を解釈する方法・手段として、宗教教義が誕生していった。ま…
[脳の三層構造] アメリカのポール・マクリーンは、”脳の三層構造説”を唱えた。人間の脳は、爬虫類脳→旧哺乳類脳→新哺乳類の順番で進化し、機能を複雑化させ高度化させてきた、という。 注)しかしながら、脳科学的には、彼の説は厳密なモデルとしての正確性は…
[時間を持て余す犬や猫] 食料獲得をしないので、食料生産外の時間を持て余す飼い犬や飼い猫でさえ、それらを文化的活動へと振り向けることはない。昼寝を貪り続けている。でも、しゃべる犬や猫の存在が、Youtubeにたくさんアップされているが。 [文化的活動…
[食料生産外の時間が発生] 農耕牧畜によって、全員が自然物(食料)生産に従事しなくてもよいほどに、つまり、余剰が生み出されて、食料生産外の時間(文化的活動)が発生した。とは言え、文化の定義が、人類が自らの手で築き上げてきた有形・無形の成果の総体、…
[質とは] ところで、質とは、中身・内容を問題にすることである。例えば、睡眠に関して、時間の長さとか回数という量的な面と、ぐっすり眠ったとか、うとうとしただけとかの眠りの内容の良さを問題にするときに、質という言葉を使う。 [質の差] 例えば、カエ…
[自然物生産] 農耕が開始されたのは、新石器時代(紀元前8500年頃)からである。新石器時代には、農耕や牧畜の開始によって社会構造が変化し、文明の発達が始まった。農耕や牧畜とによって、その日暮らし的生活から、余剰の発生、余裕・余暇の発生が生じた。 […
[生物の絶対必要条件] 生物の場合でも、さまざまな有形無形のものが、一つの系としてまとまっていたものである。ただ生物の絶対必要条件は、細胞の存在である。細胞があるものには、命があるとみなされる。人間が勝手に決めたものだろうが。 [生死を超えると…
第八章:余剰の発生が文化文明を生み出す [人間の文化文明] ずいぶんと前置きが長くなってしまったが、やっと、ここからが、本来のテーマである、”人間の文化文明の進化論的栄枯盛衰”を見て行きたい。まずは、余剰について考えたい。 [自然物(動植物)採取] 散…
[進化は上への変化] “進化”とは、今まで例示で示してきたように、例えば、情報の伝達手段が、声から紙へと主役が変遷してゆく(“階層的な)上への変化”、上へ積み上げてゆく変化である。 [徐々なる変遷] もちろん、音声から、一気に紙へと変化(進化)したわけで…
[スペンサーの進化論] イギリスの哲学者、社会学者、倫理学者、スペンサーは、進化を自然(宇宙、生物)のみならず、人間の社会、文化、宗教をも貫く第一原理であると考えた。芸術作品も宗教の形態も何もかもすべて単純から複雑への変化として捉える。 [スペン…
第七章:単純から複雑への変化を指し示す進化論 [私のいう進化論とは] なお、私が今まで使ってきた進化(論)とは、厳密な科学的用語ではなく、環境の変化によって、より高度な、より複雑な、より要素が豊富な、方法・手段を用いる(有形無形の)形式へと、主役が…