[動物の原初的文化]
だが、原初的な文化ならば、動物にも見られる。例えば、宮崎県の幸島の半野生のニホンザルの中で、ある子ザルがエサのサツマイモを小川で洗った。この行動は、母や兄弟姉妹、近くのこどもたちへと広がって行った。その後、この行動が、海水で洗うということに変わっていった。海水で洗うことによって塩味が付いた。
これも今までに見られなかった(突然変異)し、その後群れに定着(伝達・複製)したので、文化(ミーム)といえる。
[文化とは]
ということで、改めて、辞書的な”文化”(あるいは文明)の定義を示したい。「知識、信仰、芸術、道徳、法律、慣行、その他、人が社会の成員として獲得した能力や習慣を含むところの複合された総体」である。
味わいの認知科学: 舌の先から脳の向こうまで (シリーズ認知と文化)
- 発売日: 2011/10/20
- メディア: 単行本