進化の法則を知れば先が読める

文化文明も、それ以外の全て、生物無生物にかかわらず、つまり、有形無形にもかかわらず、進化するものだと、私は考えている。 そこで、今回、特に、無形の文化文明の進化を提示したいと思い、この本を描き上げた。

第一章: なぜ人間にだけ文化が生まれるのか(その十)

[動物の原初的文化]
だが、原初的な文化ならば、動物にも見られる。例えば、宮崎県の幸島の半野生のニホンザルの中で、ある子ザルがエサのサツマイモを小川で洗った。この行動は、母や兄弟姉妹、近くのこどもたちへと広がって行った。その後、この行動が、海水で洗うということに変わっていった。海水で洗うことによって塩味が付いた。
これも今までに見られなかった(突然変異)し、その後群れに定着(伝達・複製)したので、文化(ミーム)といえる。
[文化とは]
ということで、改めて、辞書的な”文化”(あるいは文明)の定義を示したい。「知識、信仰、芸術、道徳、法律、慣行、その他、人が社会の成員として獲得した能力や習慣を含むところの複合された総体」である。