進化の法則を知れば先が読める

文化文明も、それ以外の全て、生物無生物にかかわらず、つまり、有形無形にもかかわらず、進化するものだと、私は考えている。 そこで、今回、特に、無形の文化文明の進化を提示したいと思い、この本を描き上げた。

第五章:環境と生物は相互に関係し合う (その一)

第五章:環境と生物は相互に関係し合う
[二種類の環境]
環境には、動的環境(主なものは、エサと敵)と、静的環境(気候、水の有無などの生活基盤)とがある。
動植物は、同じ場所(静的環境)に生存しても、種によって、動的環境は大きく異る。つまり、生態系が異なる。
例えば、ニホンザルとシカは、同じ静的環境に生息していても、動的環境が異なるので、併存が可能である。
[アフォーダンスとは]
認知心理学ギブソンは、”アフォーダンス”という語を創り出した。それは、環境に実在する動物(有機体)がその生活する環境を探索することによって獲得することができる「意味・価値」を言い表す。
[環境に潜在する意味・価値]
つまり、アフォーダンスは、環境の側には本来的にさまざまな意味・価値が潜在しているが、それぞれの動物(有機体)の能力・機能・状態などによって、環境から引き出す意味・価値が異なってくる、という。
[生物は受動的か]
ダーウィン進化論では、生物側は、単なる受身的な存在であるかのように、私には感じられる。しかし、アフォーダンスの定義では、生物側が、ずっとずっとより能動的な存在とみなしているようにも思える。次に示す「棲み分け理論」も能動性を読み取れる。