進化の法則を知れば先が読める

文化文明も、それ以外の全て、生物無生物にかかわらず、つまり、有形無形にもかかわらず、進化するものだと、私は考えている。 そこで、今回、特に、無形の文化文明の進化を提示したいと思い、この本を描き上げた。

第九章:文化へ流れ込む知の源泉 (その三)

[脳の三層構造]
アメリカのポール・マクリーンは、”脳の三層構造説”を唱えた。人間の脳は、爬虫類脳→旧哺乳類脳→新哺乳類の順番で進化し、機能を複雑化させ高度化させてきた、という。
注)しかしながら、脳科学的には、彼の説は厳密なモデルとしての正確性はないようである。
[爬虫類脳]
“爬虫類脳”は、呼吸、心拍、体温維持、摂食、睡眠、覚醒など生命の維持(身体的知)に関わる、つまり自律神経系の中枢である脳幹や間脳(視床視床下部)を指し示す。自己保全(生命維持)という目的を全うする機能を有する脳部位である。
[旧哺乳類脳]
“旧哺乳類脳”は、感情、記憶、快・不快の価値判断など、生物として生きていくために必要な能力(感覚感情的知)に関わる、海馬、扁桃体を含む大脳辺縁系、のことである。つまり、今の内外情報を過去の記憶情報と照らし合わせて、感覚感情的に判断する脳部位である。
[新哺乳類脳]
哺乳類で初めて出現する“新哺乳類脳”とは、思考、学習、会話、芸術など、高度な精神活動(心理的精神的知)に関わる右脳と左脳に分かれる大脳新皮質である。

三つの脳の進化 新装版

三つの脳の進化 新装版