第九章:文化へ流れ込む知の源泉
[宗教中心の文明文化]
釈迦は紀元前5世紀頃に、キリストは紀元元年(?)に誕生した。その頃に、宗教(キリスト教、仏教・儒教など)が中心の文明文化が生み出された。世界を解釈する方法・手段として、宗教教義が誕生していった。また、抱え込む集団の規模が大きくなったので、統一・統制するための手段が必要となった。
[最も古い埋葬]
最も古い埋葬の例は、ネアンデルタール人のものがよく知られている。すなわち、埋葬の起源はおよそ10万年前にさかのぼる。これは死者に対して特別な意識を持っていた可能性を示唆する。 宗教の萠芽である。だとすれば、宗教が集団の統一・統制するためだったとも言い切れないが。
[神から与えられた十戒]
がしかしながら、キリスト教では、十戒という十の戒律が提示された。モーセが神から与えられたとされる10の戒律である。その中には、あなたの父母を敬えとか、殺してはならないとかの、道徳的なことも述べられている。キリスト教以外でも、多くの宗教は、道徳的規範の指示を教典に含んでいる。となれば、やはり集団の統一・統制が大きな目的だと感じられる。
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