[その頃日本では]
日本列島では、2〜3世紀に存在したとされる国のひとつ、邪馬台国(約30の国からなる日本の都)は、卑弥呼(呪術を司る巫女のような人物)が治める女王国であった。この状況も、知の中心に宗教があることを示している。
[前期と後期の宗教]
宗教を中心とする文化文明は、前期と後期に分けられる。前期は、支配階級を権威づけるための宗教であった。支配する根拠づけとしての宗教。後期は、被支配階層を統制する手段としての宗教。つまり、道徳としての宗教。それが、市民自らが自らを律するための倫理としての宗教へと根付いた。
西欧では、その結果、ユダヤ教(戒律)からキリスト教(愛)へと切り替わった。東洋では、戒律重視から念仏重視の大乗仏教へと切り替わった。
[宗教の文明文化の枯衰]
早々と、宗教の衰退の話に入るのであるが、それは、内容を紹介することが中心ではなく、文化文明の変遷(栄枯盛衰)が中心テーマだからである。ということで、宗教中心文化文明の枯衰を象徴的に示す出来事となれば、西洋では魔女狩り(15〜18世紀)である。時代の混沌に明るい未来を指し示すことができていない。混沌の度合いを深めてさえいる宗教の末期的姿である。
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