進化の法則を知れば先が読める

文化文明も、それ以外の全て、生物無生物にかかわらず、つまり、有形無形にもかかわらず、進化するものだと、私は考えている。 そこで、今回、特に、無形の文化文明の進化を提示したいと思い、この本を描き上げた。

第一章: なぜ人間にだけ文化が生まれるのか(その三)

[外化の例示]
ところで、外化とは何なのだろうか。例えば、自転車や車は、足(身体)の外化したものと、包丁(切る機能)は歯の外化だと捉える。つまり、外化とは、道具(化)である。身体機能、例えば、移動する機能(足、脚)を、身体外の道具に移し替える。本などは、知(情報)、脳機能の外化である。ところが、動物は道具を作らない。動物は身体機能を外化しない。
[ミーム]
知の外化に関しては、"ミーム(meme)"という用語がある。動物行動学者、進化生物学者であるリチャード・ドーキンスが創作した語である。
それ(ミーム)は、人々の間で「心から心へとコピーされる情報」のことであり、”文化”を形成する様々な情報となっている。例えば、習慣や技能、物語といった、あたかも遺伝子のように、人から人へコピーされる情報のことである。
ダーウィン文化論―科学としてのミーム
利己的な遺伝子 40周年記念版
ミーム―心を操るウイルス