進化の法則を知れば先が読める

文化文明も、それ以外の全て、生物無生物にかかわらず、つまり、有形無形にもかかわらず、進化するものだと、私は考えている。 そこで、今回、特に、無形の文化文明の進化を提示したいと思い、この本を描き上げた。

2020-11-01から1ヶ月間の記事一覧

第四章:環境とその影響下の主体の変化 (その二)

[メタン環境] 酸素発生以前には、陸地は生存不可能な劣悪な危険窮まりない環境下にあった。例えば、原始地球においてはメタン菌(メタンを合成する古細菌の総称)によって生成されたメタンによって地球大気が暖められていた。しかし、今や、メタンは、メタンハ…

第四章:環境とその影響下の主体の変化 (その一)

第四章:環境とその影響下の主体の変化 [環境とは] 環境、環境と頻繁に何気なく使うが、では環境とは一体何だろうか。辞書的な定義では、生物や人間を取り巻く有形無形のもののうちで、主体の生存と行動に深く関係がある、影響を及ぼすと考えられる諸要素・諸…

第三章:進化の諸相(その五)

[宇宙の基本原理] 「栄枯盛衰は世の習い」は、宇宙の基本原理である。生物界では、進化とは、結果的には、環境変化(あるいは、新しい環境の創造)にともなって、主役(時代の先端[フロンティア]を華々しく進むもの)が次々に交代していく歴史であった。進化には必…

第三章:進化の諸相(その四)

[戦国時代の終了] 織田信長によって終止符が打たれた、戦国時代(日本全国を群雄が割拠し、天下統一を目指し合い争った戦乱の時代 )は、1467年の応仁の乱か1493年の明応の政変から始まり、1568年の織田信長入京か、1573年に室町将軍足利義昭が信長によって追…

第三章:進化の諸相(その三)

[転換はオーバーラップ] 主役と脇役の転換は、オーバーラップ(年時の重なり合い)する。主役から脇役への引き下がり、逆に、周辺にいた脇役の主役への躍進などは、劇的に遂行されるわけではなく、長い時間をかけて変遷する、見かけ上はどれだけ劇的であってさ…

第三章:進化の諸相(その二)

第三章:進化の諸相(その二)[弁証法] 弁証法では、古いものが否定(部分否定)されることによって動きが生じる。とはいっても、新しいものが現れる際、古いものが全面的に捨て去られるのではない。古いものが持っている内容(様々な要素)のうち、積極的な要素が…

第三章:進化の諸相(その一)

第三章:進化の諸相(その一)今までさまざまなもの(種類)の進化を見てきたが、ここでは進化の持ついろんな相(特質)を見て行きたい。階層構造についてはもう述べたので、それ以外の面を見ていく。 [温度と原子合成の関係] (環境)温度が高くなればなるほど、より…

第二章:進化の汎用性、全てのものは進化し得る(その五)

第二章:進化の汎用性、全てのものは進化し得る(その五) [原子(元素)の進化] 物の元(大元ではないが)である、原子(元素)も進化してきたといえる。それぞれの原子の生成(誕生)は、温度と圧力という点(生成環境)がお互いに異なっている。つまり、種類の異なる原…

第二章:進化の汎用性、全てのものは進化し得る(その四)

第二章:進化の汎用性、全てのものは進化し得る(その四) [フロンティア] そういう意味では、そのような(新しく生まれ出た)領域は、フロンティアであり、未開拓の分野、新しい分野、混沌とした領域である。 だけど学問・技術などの最先端でもある。混沌であるけ…

第二章:進化の汎用性、全てのものは進化し得る(その三)

第二章:進化の汎用性、全てのものは進化し得る(その三) [階層構造とは] 階層構造とは、各階を、下層から上層へと順に積み重ねて、全体を構成している場合の構造で、積み木構造である。階層構造を特徴づける性質は、「高次の階層は、それよりも低次の階層が備…

第二章:進化の汎用性、全てのものは進化し得る(その二)

第二章:進化の汎用性、全てのものは進化し得る(その二)[主役の交代] 先ほど、情報の受発信の手段の変遷を示したが、それも進化ではないのだろうか。生物進化では、環境に適応できない生物は滅ぶという。しかし、受発信の手段の変遷では、以前の主役(例えば、…

第二章:進化の汎用性、全てのものは進化し得る(その一)

第二章:進化の汎用性、全てのものは進化し得る(その一)[変異の附加で進化] ドーキンスがいうように、「コピーされ伝達される情報」が文化(ミーム)であるが、それに「変異」(突然変異)が加われば、進化する可能性がある。だが、進化とは本来生物にだけ適用されて…

第一章: なぜ人間にだけ文化が生まれるのか(その十)

[動物の原初的文化] だが、原初的な文化ならば、動物にも見られる。例えば、宮崎県の幸島の半野生のニホンザルの中で、ある子ザルがエサのサツマイモを小川で洗った。この行動は、母や兄弟姉妹、近くのこどもたちへと広がって行った。その後、この行動が、海…

第一章: なぜ人間にだけ文化が生まれるのか(その九)

[ユビキタス] クラウド化したネットワーク網によって、いつでも、どこでも、だれでもが恩恵を受けることができるインタフェース、環境、技術を意味する、”ユビキタス”(Ubiquitous)が更に一段と現実のものになってゆく。例えば、即座に、音声翻訳をしてくれる…

第一章: なぜ人間にだけ文化が生まれるのか(その八)

[スマートフォン] 今、ネットワーク端末として、ipadの発売以来、Kindle Fire(読書端末)やNexusなどのタブレット、さらにはiphoneの発売以来、スマートフォンが隆盛している。 ともに、アップルがこの流れを作り出してきた。マイクロソフトは、Windows(とデ…

第一章: なぜ人間にだけ文化が生まれるのか(その七)

[メディアとは] なお、”メディア”とは、「情報」が、送り手から受け手に届くまでに経由する、途中に介在する「道具や手段」を指し示す。例えば、音楽を歌手から聞き手に送り届ける手段として、ラジオ、CD、テレビ、あるいは、マイクなどがあり、それらをメディア…

第一章: なぜ人間にだけ文化が生まれるのか(その六)

[ものの身体化] ところで、外化の逆方向ともいえる、ものの”身体化”という言葉もある。例えば、自転車を乗りこなすとは、自転車をあたかも身体の一部であるかのように、乗りこなすことを言い表す。それを、自転車の身体化とも呼べるかもしれない。身体(機能)…

第一章: なぜ人間にだけ文化が生まれるのか(その五)

[文化文明の発展は] 私には、この余剰と外化が、文化文明を生み出し発展させてきたと思える。その内で、主に、知の外化を”文化”(外化した知)と呼び、身体の外化を”文明”(外化した身体機能)と呼ぶ傾向がある。 [文化と文明の区別] もっと具体的に言えば、宗教…

第一章: なぜ人間にだけ文化が生まれるのか(その四)

[進化の条件] ドーキンスは、ミームにも「進化」という現象が生じており、それによって文化が形成される、という。「複製、伝達、変異」という三つの条件を満たしていれば、身体的遺伝子以外の何かであっても、同様に進化するはずだと見ている。 [遺伝子] 遺伝子…

第一章: なぜ人間にだけ文化が生まれるのか(その三)

[外化の例示] ところで、外化とは何なのだろうか。例えば、自転車や車は、足(身体)の外化したものと、包丁(切る機能)は歯の外化だと捉える。つまり、外化とは、道具(化)である。身体機能、例えば、移動する機能(足、脚)を、身体外の道具に移し替える。本など…

第一章: なぜ人間にだけ文化が生まれるのか(その二)

[生活とは] ということで、改めて、生活とは何か。人が生きている限り、その命を維持し、育むために行っている必要不可欠な活動である。ここまでは動物でもある。 ところが、動物にはなく、人間にだけある、衣食住とその他にも、日常生活動作や、労働、余暇…

第一章: なぜ人間にだけ文化が生まれるのか(その一)

第一章: なぜ人間にだけ文化が生まれるのか [文化] 人類学(人類に関しての総合的な学問)においては、「人間」と「自然や動物」との間にある差異を説明するための概念が、"文化"である。 では、文化とは何か。辞書的な説明は、人間の生活様式の全体。もう少し補足…

進化の法則を知れば先が読める

[まえがき] 3.11(2011年3月11日に発生した東日本大震災)以来、科学が信用信頼されなくなったように、私には思えた。そのように考えた時、突如、”文化文明の進化論的な栄枯盛衰”という言葉(題名、テーマ)が思い浮かんだ。それで、ブログにその題名のもとで、…

進化の法則を知れば先が読める

進化の法則を知れば先が読める>> まえがき 第一章:なぜ人間にだけ文化が生まれるのか 第二章:進化の汎用性、全てのものは進化し得る 第三章:進化の諸相 第四章:環境とその影響下の主体の変化 第五章:環境と生物は相互に関係し合う 第六章:働き・作用から見れ…