進化の法則を知れば先が読める

文化文明も、それ以外の全て、生物無生物にかかわらず、つまり、有形無形にもかかわらず、進化するものだと、私は考えている。 そこで、今回、特に、無形の文化文明の進化を提示したいと思い、この本を描き上げた。

第一章: なぜ人間にだけ文化が生まれるのか(その二)

[生活とは]
ということで、改めて、生活とは何か。人が生きている限り、その命を維持し、育むために行っている必要不可欠な活動である。ここまでは動物でもある。
ところが、動物にはなく、人間にだけある、衣食住とその他にも、日常生活動作や、労働、余暇活動、意思の疎通をはかり、生きることの中に積極的な意義を見出し、職業生活と私的生活、社会生活といった分野にまたがるもの全てを生活(文化)という。
[余剰と外化]
結局は同じことをいうのだが、動物から、人間を分かつものは、「余剰」と「外化」だと感じる。つまり、文化は、「余剰」と「外化」から生まれ出る。ものの余剰と知の余剰、知の外化と身体の外化。人間と動物をわかちたいのは、動物にはなくて、人間にだけあるものを探して、動物の上に人間が存在すると見たいのだろう(私もそうかもしれないが)。