進化の法則を知れば先が読める

文化文明も、それ以外の全て、生物無生物にかかわらず、つまり、有形無形にもかかわらず、進化するものだと、私は考えている。 そこで、今回、特に、無形の文化文明の進化を提示したいと思い、この本を描き上げた。

第二章:進化の汎用性、全てのものは進化し得る(その五)

第二章:進化の汎用性、全てのものは進化し得る(その五)

[原子(元素)の進化]
物の元(大元ではないが)である、原子(元素)も進化してきたといえる。それぞれの原子の生成(誕生)は、温度と圧力という点(生成環境)がお互いに異なっている。つまり、種類の異なる原子は生成誕生環境が異なる。原子にとって、進化は、温度という環境の違いによって、成し遂げられてきた。あたかもその現場は、るつぼを彷彿とさせる。そして、原子がより進化するためには、より高温の環境を必要とする。
[水素核融合]
例えば、自ら光を発し、その質量がもたらす重力による収縮に反する(膨張)圧力を内部に持ち支える、ガス体の天体(恒星)内で、温度(環境)が約1,000万度を超えると、4つの水素原子(原子番号1)から、1つのヘリウム原子(原子番号2)を作る、水素核融合が起こる。
注)太陽の中心核では、熱核融合によって物質からエネルギーを取り出す熱核融合反応が起こり、水素がヘリウムに変換されている。
[ヘリウム核融合]
更に高い約1億程度になると、今度は、3つのヘリウム原子核がトリプルアルファ反応(つまり、ヘリウム3つが結びついて炭素が出来る反応)を起こし、炭素(原子番号6)が生成される。
[重い原子の合成]
更に更に温度がずっと高い30億度に達すると、ネオン(原子番号10)が核融合を開始し、シリコン、硫黄、カルシウム、アルゴンなど、より重い元素が形成され誕生する。
[超新星爆発は原子の合成工場]
超新星(恒星の爆発現象)が爆発する瞬間、爆発したその恒星とその周辺は超高温の状態となる。このことによって、恒星での元素合成では果たせなかった、さらに重い原子の合成が行える環境が生み出される。つまり、超新星爆発は、重い原子の合成工場である。このように温度という環境が原子を生成する。しかも、より高温の環境がより複雑な原子、即ち、より進化した原子を生成する。
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