進化の法則を知れば先が読める

文化文明も、それ以外の全て、生物無生物にかかわらず、つまり、有形無形にもかかわらず、進化するものだと、私は考えている。 そこで、今回、特に、無形の文化文明の進化を提示したいと思い、この本を描き上げた。

第三章:進化の諸相(その一)

第三章:進化の諸相(その一)

今までさまざまなもの(種類)の進化を見てきたが、ここでは進化の持ついろんな相(特質)を見て行きたい。階層構造についてはもう述べたので、それ以外の面を見ていく。
[温度と原子合成の関係]
(環境)温度が高くなればなるほど、より複雑な原子(元素:原子番号が大きい)が生成されることを見た。「新しいものが、新しい環境で生み出される」のが「進化」であれば、これらの現象は原子・元素の進化と呼べるだろう。
[単純から複雑へ]
水素は、陽子1つと電子1つからなる最も簡単な原子で、宇宙に最も多く存在する原子である。次にその存在が多いヘリウムの原子核は、2つの陽子と2つの中性子からなり、周りを2つの電子が回って構成される。炭素の場合は、陽子が6つ,中性子も6つ,電子も同じく6つ持つ原子である。
[過去の遺産を受け継いで進化]
ヘリウムは、水素よりも複雑だったので、水素の誕生後でしか誕生し得なかった。つまり、「過去の遺産を受け継ぐという形でしか進化」はできない。その結果、「単純から複雑へと進化は進んでゆく」。「より複雑なシステムは、より単純なシステムを元にしてそれを取り込む形で形成される」。これは宇宙原理(進化)の大原則である。同時に、これは弁証法的進化である。