進化の法則を知れば先が読める

文化文明も、それ以外の全て、生物無生物にかかわらず、つまり、有形無形にもかかわらず、進化するものだと、私は考えている。 そこで、今回、特に、無形の文化文明の進化を提示したいと思い、この本を描き上げた。

第三章:進化の諸相(その四)

[戦国時代の終了]
織田信長によって終止符が打たれた、戦国時代(日本全国を群雄が割拠し、天下統一を目指し合い争った戦乱の時代 )は、1467年の応仁の乱か1493年の明応の政変から始まり、1568年の織田信長入京か、1573年に室町将軍足利義昭が信長によって追放されたのを終わりとする。
[破壊と構築]
しかし、この革命(権力体制や組織構造の比較的短期間に行われる抜本的な社会変革)は、古い体制(群雄割拠)を破壊した信長だけで完成したのではなく、その後に続く、豊臣秀吉徳川家康による、新しい(日本全土を統一して一人の権力者の支配下に置く)体制の構築によって、ほんとうの意味で、完結する。破壊の後にどんな創造を積み上げるかである。新しい創造がなければ進化とは言えない。
[革命者と実務者]
歴史を見ていくと、どうも革命者と実務(システム創造)者は同一人物では無理があるようだ。この二つは別の人間であるべきだろう。
なぜなら、革命や現政権を倒すということは、戦乱という混沌の中にあってさえ飛び抜けた、全体を俯瞰しながら戦略的に読み取る能力と迅速な判断と断固たる決断力、更には力強いリーダーシップ(指導能力)を必要とし、なおかつ血しぶきを浴びる覚悟が必要だ。織田信長は希有な適任者であった。
が、主にソフト部門を受け持つ実務者にとっては、むしろそういった能力は邪魔になる。むしろ、能力のあり使える人間を選別し育て、この先どのように政権運営を行っていくかといった、長期的な視野展望と経済政策、経営(マネージメント)能力が必要になる。
[起承転結]
突如、戦国時代を持ち出してきたのはもうお分かりだと思うが、物事の展開や物語の文章などにおける構成は、起承転結を標準とする。これは、弁証法での展開、正反合とも符合する。起承=正、転=反、結=合であろう。革命においても同じことが言える。