進化の法則を知れば先が読める

文化文明も、それ以外の全て、生物無生物にかかわらず、つまり、有形無形にもかかわらず、進化するものだと、私は考えている。 そこで、今回、特に、無形の文化文明の進化を提示したいと思い、この本を描き上げた。

第十章:宗教を中心とした文明文化 (その三)

[アヘン戦争]
中国でのアヘン戦争が挙げられる。だが、アヘン戦争自体は、宗教の衰退と直接関係はない。ただ東洋(文化)の西洋(文化)への敗北を象徴する出来事である。日本では、それに匹敵するのは、黒船の来航であろう。アヘン戦争や黒船の来航は、西洋の科学技術の圧倒的優位性を見せつけるものであった。ここから西洋の東洋への優位性が本格化していった。更には、西洋の科学技術が世界を変える、世界を支配する先駆け的出来事でもあった。
[魔女狩り]
魔女狩りが発生したのは、当時のヨーロッパを覆った宗教的・社会的大変動が、人々を精神的な不安に落としいれたことと同時に、台頭してきた市民のパワーと衰えかけた権力者の意向が一致し均衡したことが原因だと見られている。市民は自らが持ち始めたパワーを使う対象が、残念ながら、有効な方向ではなかった。市民はまだ力の行使に慣れていなかった。あたかも、腕力、知力のある者が、狭い視野に留まり、それらを弱者に誇示する姿に似ている。