進化の法則を知れば先が読める

文化文明も、それ以外の全て、生物無生物にかかわらず、つまり、有形無形にもかかわらず、進化するものだと、私は考えている。 そこで、今回、特に、無形の文化文明の進化を提示したいと思い、この本を描き上げた。

第四章:環境とその影響下の主体の変化 (その八)

[細胞は全て同一DNAを持つ]
変化の拒否には、もうひとつの方法がある。例えば、多細胞生物では、神経細胞、皮膚細胞、筋肉細胞など、それぞれ形状や機能の違う様々な細胞から構成されている。しかし、これらの細胞は全て同一のゲノムDNAを持っていて、ひとつの受精卵から細胞分化の過程を経てできあがったものである。
[遺伝子発現]
例えば、一人の人間内の全ての細胞は、機能が違えども、形状が違えども、同じゲノムDNAを持っているので、実際にはどんな細胞にでもなれたわけである。それにもかかわらず、それぞれの細胞が最終的には違ったもののになるのは、細胞によって機能する(変身するための)遺伝子(遺伝子発現)が異なるためである。全ての遺伝子が発現するのではなく、その内の極一部だけが発現する。
[遺伝子発現の抑制]
この遺伝子発現(実は発現抑止)に重要な役割を果たすのが、ゲノムDNAのメチル化である。メチル化された部分の遺伝子は発現が抑制された、つまり「鍵がかかった」(封印された)状態となる。細胞の種類によって鍵のかかった場所(遺伝子の所在地)が異なっている。
これによって、何にでもなれる潜在的可能性を持つ細胞なのに、特定の細胞へと固定化される。
利己的な遺伝子 40周年記念版
[NHKスペシャル]人体II 遺伝子