進化の法則を知れば先が読める

文化文明も、それ以外の全て、生物無生物にかかわらず、つまり、有形無形にもかかわらず、進化するものだと、私は考えている。 そこで、今回、特に、無形の文化文明の進化を提示したいと思い、この本を描き上げた。

第八章:余剰の発生が文化文明を生み出す (その二)

[生物の絶対必要条件]
生物の場合でも、さまざまな有形無形のものが、一つの系としてまとまっていたものである。ただ生物の絶対必要条件は、細胞の存在である。細胞があるものには、命があるとみなされる。人間が勝手に決めたものだろうが。
[生死を超えるとは]
唐突だが、生死を超えるとは迷いを超えることである、仏教的に言えば。迷わせているのは自我、我執である。自我は、自分という視点から物事を見る。その自我を取り去り、自分という視点を取り去ると、ただただ働き(機能)しか見えてこなくなる。つまり、人間が勝手に命名した物質的構造が消え去る。だから、そこには、人間的な意味での死は存在しない。ただあるのは、自律的働きの停止だけである。
道元はこのような句を詠んだ。「春は花夏ほととぎす秋は月 冬雪さえて冷すずしかりけり」