進化の法則を知れば先が読める

文化文明も、それ以外の全て、生物無生物にかかわらず、つまり、有形無形にもかかわらず、進化するものだと、私は考えている。 そこで、今回、特に、無形の文化文明の進化を提示したいと思い、この本を描き上げた。

第一章: なぜ人間にだけ文化が生まれるのか(その九)

[ユビキタス]
クラウド化したネットワーク網によって、いつでも、どこでも、だれでもが恩恵を受けることができるインタフェース、環境、技術を意味する、”ユビキタス”(Ubiquitous)が更に一段と現実のものになってゆく。例えば、即座に、音声翻訳をしてくれるサービスも現に存在する。 まだ実用化はされていないが、視覚障害者の白い杖に、情報収集機能を搭載して、周りから得た情報を音声化する装置を取り付けるという構想もある。
[物的手段を発明]
声は、情報伝達手段として動物(特に二本足の鳥類)でも使える。例えば、うぐいすは、恋の歌声として、「ホーホケキョ」とさえずるが、相手を見つけた後は、「ケキョケキョケキョ」と縄張りを宣言する。
人間は、すぐさま消え去る声を変換(固定化)する文字を発明して、それを載せる物的手段(動物のなめし革、板、粘土板などなど)を発明することで、文化を飛躍的に発展させてきた。これによって、今に生きるという制限を課してきた時間という壁がぶち破られた。これがその日暮らし的動物から人間へと飛躍した最大の原動力だった。
ユビキタス社会のキーテクノロジー (丸善ライブラリー)
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