進化の法則を知れば先が読める

文化文明も、それ以外の全て、生物無生物にかかわらず、つまり、有形無形にもかかわらず、進化するものだと、私は考えている。 そこで、今回、特に、無形の文化文明の進化を提示したいと思い、この本を描き上げた。

第六章:働き・作用から見れば、生態系、散逸構造 (その六)

[共進化]
“共進化”とは、一つの生物学的要因の変化が引き金となって、別のそれに関連する生物学的要因が変化すること、である。持ちつ持たれつの相互環境的関係ならば、相手が変化すれば、こちらも自動的に変化せざるを得ない。一方的影響は有り得ない。
[縁起の法]
仏教には、 釈迦が悟ったという”縁起の法”という教えがある。「これあればかれあり、これ生ずるが故にかれ生ず、これなければかれなし、これ滅するが故にかれ滅す」。つまり、全ては相互に関連しあっているということである。
[無為自然とは]
人間も、自然によって自律的に創造されたものである。人間も、周りの環境と、自己組織化によって生まれる定常的な構造の一部になり得る存在である。老子の説く無為自然とは、このようなことをいうのではないだろうか。なお、”無為自然”とは、人の手を加えないで、何もせずあるがままにまかせることである。散逸構造の流れに乗る、 オートポイエーシスシステムの中に身を委ねる、生態系の中に身を委ねる、自然法爾する、ことだろう。だのに、人間だけが、自然な流れにあらがってジタバタしている存在のように見えてしまう。

現代宇宙論―時空と物質の共進化

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