進化の法則を知れば先が読める

文化文明も、それ以外の全て、生物無生物にかかわらず、つまり、有形無形にもかかわらず、進化するものだと、私は考えている。 そこで、今回、特に、無形の文化文明の進化を提示したいと思い、この本を描き上げた。

第七章:単純から複雑への変化を指し示す進化論 (その一)

第七章:単純から複雑への変化を指し示す進化論
[私のいう進化論とは]
なお、私が今まで使ってきた進化(論)とは、厳密な科学的用語ではなく、環境の変化によって、より高度な、より複雑な、より要素が豊富な、方法・手段を用いる(有形無形の)形式へと、主役が交代してゆく過程という意味である。それが生物であろうと、無生物であろうと、無形の形式・システム・組織(例えば、プログラム)であろうと。
[進化論の主流]
ところで、生物進化論に関しては、”総合説”が現代進化論の主流であり、これも含めて”ネオダーウィニズム”と称する。”自然選択”と”突然変異”を理論の柱とする。その内、自然選択とは、生物に無目的に起きる変異(突然変異)を、厳しい自然環境が、結果的に選別することで、無目的だった変化に進化という方向性を与えることである。
[スペンサーの進化論]
イギリスの哲学者、社会学者、倫理学者、スペンサーは、進化を自然(宇宙、生物)のみならず、人間の社会、文化、宗教をも貫く第一原理であると考えた。芸術作品も宗教の形態も何もかもすべて単純から複雑への変化として捉える。

進化倫理学入門

進化倫理学入門

さよならダーウィニズム (講談社選書メチエ)

さよならダーウィニズム (講談社選書メチエ)

  • 作者:池田 清彦
  • 発売日: 1997/12/10
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)