進化の法則を知れば先が読める

文化文明も、それ以外の全て、生物無生物にかかわらず、つまり、有形無形にもかかわらず、進化するものだと、私は考えている。 そこで、今回、特に、無形の文化文明の進化を提示したいと思い、この本を描き上げた。

第四章:環境とその影響下の主体の変化 (その六)

[進化と固定]
進化とは、新しい環境により良く適した突然変異を獲得することで成し遂げられえる。逆から言えば、進化を止める(固定化)とは、今まで適していた環境に居続けるためには、次から次へと生まれ出る突然変異を捨て去ることである。変化を拒否することである。それによって位置を固定できる。内に生まれた突然変異を受け入れてしまうと、否応なく変化が訪れる。
[弁証法的固定化]
弁証法的に言えば、固定化とは、正にとどまって、反へと進まないことである。反へと進んだものの中から、合へと止揚を成し遂げるものが現れる。止揚するだけの能力のないものは、反乱分子としてしか評価されない。異分子として排除されがちである。
[破壊だけでは混沌に]
革命では、主役を転覆させる段階から、新しい秩序を形成する段階へと持ち込む能力が要求される。秩序形成能力がないままに、破壊だけ起こすと、その後に長い混沌が待っている。
[進化と固定]
ドーキンスは、ミームの説明の中で、進化の条件として、「複製、伝達、変異」を上げた。同じ物を、複製、伝達し続けるのが固定化であり、そこに変異を取り入れるのが進化である。