第十章:宗教を中心とした文明文化
これまで(第九章で)は人類以前の知を見てきたが、ここからは、人類にとっての主役となる知の交代劇を見ていきたい。
[仏教の誕生]
インドでは、仏教が誕生した背景に、従来の盲信的な原始的宗教から脱しようとした、ことがあげられる。それは、都市国家がある程度の成熟をみて、社会不安が増大し、従来のアニミズム的、または民族的な伝統宗教では解決できない問題が多くなった、ことによる。つまり、時代背景(環境)の大きな変化に、それまでの知(民族的な伝統宗教)がついていけなかった。納得できる解決策を提示できなくなった。要するに、新しい知が要請されていた。
[宗教の文明文化の栄盛]
宗教中心の文明文化の繁栄を、象徴的に表す出来事がヨーロッパで起こった。それが、4世紀、キリスト教の公認・国教化である。テオドシウス帝は380年にキリスト教をローマ帝国の国教と宣言した。 宗教を知の中心に据えた。
都市と文明 I (都市と文明(全3分冊)文化・技術革新・都市秩序)
- 作者:ピーター・ホール
- 発売日: 2019/11/26
- メディア: 単行本
- 作者:武藤 泰明
- 発売日: 2020/10/24
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 作者:デイビッド・モントゴメリー
- 発売日: 2010/04/07
- メディア: 単行本
- 作者:ユヴァル・ノア・ハラリ
- 発売日: 2016/09/08
- メディア: 単行本