進化の法則を知れば先が読める

文化文明も、それ以外の全て、生物無生物にかかわらず、つまり、有形無形にもかかわらず、進化するものだと、私は考えている。 そこで、今回、特に、無形の文化文明の進化を提示したいと思い、この本を描き上げた。

第六章:働き・作用から見れば、生態系、散逸構造 (その十)

[熟年男女の行動力] 情報提供者たちよ、若者にばかり焦点を当てずに、熟年男女の行動力にも目を向けよう。世界に目をければ、先進諸国には、そのような暇とお金を持て余す熟年男女であふれ返っていますよ。 [草刈り場の形成] 次の主役の登場を早める最大の手…

第六章:働き・作用から見れば、生態系、散逸構造 (その九)

[巨大恐竜のような大企業] という点で、日本でも、今まで主役を張っていたが、新しく生まれ出た環境、移り行った環境に変貌適応できていない、巨大恐竜のような大企業には、早く主役の座を退いてもらいたいものである。脇からの突如としての茶々入れになった…

第六章:働き・作用から見れば、生態系、散逸構造 (その八)

[恐竜の絶滅] ほぼ完全に海から開放された爬虫類である恐竜が、不幸な出来事によって滅ぶよりももっと以前から、次の主役(猿)は、裏で着々と準備を進めていて、機会をうががっていたのである。 [恐竜絶滅の原因] 恐竜に降って湧いた不幸な出来事とは、直径1…

第六章:働き・作用から見れば、生態系、散逸構造 (その七)

[生存環境の前進] 生存環境は、定常的な変化しないものではなく、進化論がいうように、変異を受け入れて、徐々に変化していく。 大きな視点から言えば、海だけだった生存域は、陸地が生存可能になって、水陸を行き来する、水辺の両生類が、進化的に主役へと…

第六章:働き・作用から見れば、生態系、散逸構造 (その六)

[共進化] “共進化”とは、一つの生物学的要因の変化が引き金となって、別のそれに関連する生物学的要因が変化すること、である。持ちつ持たれつの相互環境的関係ならば、相手が変化すれば、こちらも自動的に変化せざるを得ない。一方的影響は有り得ない。 [縁…

第六章:働き・作用から見れば、生態系、散逸構造 (その五)

[自然は自律的に創造] 自然は、車を作ることはできないが、車よりももっと複雑なカエルを創造することができた。しかも、自然に、自己組織化によって、自律的に。なお、自律とは、他からの支配や制約や助力などを受けずに、自分自身で立てた規範(システム)に…

第六章:働き・作用から見れば、生態系、散逸構造 (その四)

[自給自足とは] 自給自足とは、生活に必要な物資をすべて自ら手に入れる生活のあり方であり、生物はすべて自給自足である、という。自給自足といっても、他からエネルギーを得ていないという意味ではなく、エネルギーを自分で(自力で)獲得しているという意味…

第六章:働き・作用から見れば、生態系、散逸構造 (その三)

[エントロピー増大の法則] しかしながら、”エントロピー増大の法則”はいう。その法則では、自然界では、常に、エントロピー(乱雑さ、無秩序度)が小さい方から大きいへという方向に進む、という。つまり、これは、自然は必ず秩序から無秩序へという方向に進む…

第六章:働き・作用から見れば、生態系、散逸構造 (その二)

[主体のあるなし] 要するに、環境には、ある主体を取り巻くものという意味合いが強いが、他方、生態系は、相互につながったまとまりという集団志向的な意味を表す。この違いはとても大きい。 [オートポイエーシス的システム] ある主体から見た環境という視点…

第六章:働き・作用から見れば、生態系、散逸構造 (その一)

第六章:働き・作用から見れば、生態系、散逸構造 [環境とは] “環境”とは、辞書的な定義では、主体(人、生物)を取り巻く家庭・社会・自然などの外的な事の総体である。ではあるが、狭義においては、その中で人や生物に何らかの影響を与えるものだけを指す。 つま…

第五章:環境と生物は相互に関係し合う (その三)

[ガイア理論とは] ジェームズ・ラブロックによって提唱された、”ガイア理論”は、地球というシステム全体を見据えた理論である。 地球があたかもひとつの生命体のように自己調節システムを備えている、という。 また、地球と生物が相互に関係し合い環境を作り…

第五章:環境と生物は相互に関係し合う (その二)

[棲み分け理論] 日本の生態学者、文化人類学者今西錦司は、「棲み分け理論」を提唱した。具体例で示せば、カゲロウ類の幼虫は渓流に棲むが、種によって棲む環境が異なると同時に、それぞれの環境に適するような異なる形態をしている。 それぞれが棲み分けた環…

第五章:環境と生物は相互に関係し合う (その一)

第五章:環境と生物は相互に関係し合う [二種類の環境] 環境には、動的環境(主なものは、エサと敵)と、静的環境(気候、水の有無などの生活基盤)とがある。 動植物は、同じ場所(静的環境)に生存しても、種によって、動的環境は大きく異る。つまり、生態系が異…

第四章:環境とその影響下の主体の変化 (その十)

[変化と安定] 進化(変化)と安定という、両者があって、つまり、変化がありながらも、それが小さな変化に過ぎず、全体としては安定しているという状況が維持されなければ、安定的には続いてはいかない。 [成長点] 植物には成長点があり、そこだけが変化成長す…

第四章:環境とその影響下の主体の変化 (その九)

[遺伝子発現と再生医療] 遺伝子発現を封印(メチル化)されていない(川上)段階の細胞を使うのが、再生医療である。そして、そこから再度特定の遺伝子の発現を促して、お望みの(川下)段階に所属する細胞群(例えば心筋細胞)を生成する。 [固定化方法] 生物進化で…

第四章:環境とその影響下の主体の変化 (その八)

[細胞は全て同一DNAを持つ] 変化の拒否には、もうひとつの方法がある。例えば、多細胞生物では、神経細胞、皮膚細胞、筋肉細胞など、それぞれ形状や機能の違う様々な細胞から構成されている。しかし、これらの細胞は全て同一のゲノムDNAを持っていて、ひとつ…

第四章:環境とその影響下の主体の変化 (その七)

[薬剤耐性という進化] 微生物(ウィルスなど)や昆虫の薬剤耐性獲得は、変異と選択による進化の最も身近な実感できる例の一つである。殺虫剤に対する病害虫の耐性、病気を治療する際に用いられる抗生物質や抗癌剤などの薬剤に対して抵抗力の獲得。その結果、こ…

第四章:環境とその影響下の主体の変化 (その六)

[進化と固定] 進化とは、新しい環境により良く適した突然変異を獲得することで成し遂げられえる。逆から言えば、進化を止める(固定化)とは、今まで適していた環境に居続けるためには、次から次へと生まれ出る突然変異を捨て去ることである。変化を拒否するこ…

第四章:環境とその影響下の主体の変化 (その五)

[進化の停滞(固定化)] 主役ではなくなった、海(水中)という環境での進化が、今では、先へは進まず停滞(固定化)したように思える。飛躍的な進化は、辺境地帯(フロンティア)に限られるのだろうか。人間でも、動物でも、若者は大きく変化進化するが、成熟すると…

第四章:環境とその影響下の主体の変化 (その四)

[生物分類] 生物進化は多様化という方向に進む。次に進む前に、生物進化によって生み出された生物全体を体系づけている生物分類を説明したい。生物分類は、界、門、網、目、科、属、種の7段階で行われる。上から段々と細かな違い(差異)によって分類分けをす…

第四章:環境とその影響下の主体の変化 (その三)

[地球環境の大変化] 地球上のすべての大陸は、かつては1つの超巨大、超広大な原始的な超大陸をつくっていた。その超大陸はパンゲアと呼ばれている。これが約2億年前に様々な方向に分裂を開始した。これは、環境の超絶大変化であり、爆発的多様化を促進させた…

第四章:環境とその影響下の主体の変化 (その二)

[メタン環境] 酸素発生以前には、陸地は生存不可能な劣悪な危険窮まりない環境下にあった。例えば、原始地球においてはメタン菌(メタンを合成する古細菌の総称)によって生成されたメタンによって地球大気が暖められていた。しかし、今や、メタンは、メタンハ…

第四章:環境とその影響下の主体の変化 (その一)

第四章:環境とその影響下の主体の変化 [環境とは] 環境、環境と頻繁に何気なく使うが、では環境とは一体何だろうか。辞書的な定義では、生物や人間を取り巻く有形無形のもののうちで、主体の生存と行動に深く関係がある、影響を及ぼすと考えられる諸要素・諸…

第三章:進化の諸相(その五)

[宇宙の基本原理] 「栄枯盛衰は世の習い」は、宇宙の基本原理である。生物界では、進化とは、結果的には、環境変化(あるいは、新しい環境の創造)にともなって、主役(時代の先端[フロンティア]を華々しく進むもの)が次々に交代していく歴史であった。進化には必…

第三章:進化の諸相(その四)

[戦国時代の終了] 織田信長によって終止符が打たれた、戦国時代(日本全国を群雄が割拠し、天下統一を目指し合い争った戦乱の時代 )は、1467年の応仁の乱か1493年の明応の政変から始まり、1568年の織田信長入京か、1573年に室町将軍足利義昭が信長によって追…

第三章:進化の諸相(その三)

[転換はオーバーラップ] 主役と脇役の転換は、オーバーラップ(年時の重なり合い)する。主役から脇役への引き下がり、逆に、周辺にいた脇役の主役への躍進などは、劇的に遂行されるわけではなく、長い時間をかけて変遷する、見かけ上はどれだけ劇的であってさ…

第三章:進化の諸相(その二)

第三章:進化の諸相(その二)[弁証法] 弁証法では、古いものが否定(部分否定)されることによって動きが生じる。とはいっても、新しいものが現れる際、古いものが全面的に捨て去られるのではない。古いものが持っている内容(様々な要素)のうち、積極的な要素が…

第三章:進化の諸相(その一)

第三章:進化の諸相(その一)今までさまざまなもの(種類)の進化を見てきたが、ここでは進化の持ついろんな相(特質)を見て行きたい。階層構造についてはもう述べたので、それ以外の面を見ていく。 [温度と原子合成の関係] (環境)温度が高くなればなるほど、より…

第二章:進化の汎用性、全てのものは進化し得る(その五)

第二章:進化の汎用性、全てのものは進化し得る(その五) [原子(元素)の進化] 物の元(大元ではないが)である、原子(元素)も進化してきたといえる。それぞれの原子の生成(誕生)は、温度と圧力という点(生成環境)がお互いに異なっている。つまり、種類の異なる原…

第二章:進化の汎用性、全てのものは進化し得る(その四)

第二章:進化の汎用性、全てのものは進化し得る(その四) [フロンティア] そういう意味では、そのような(新しく生まれ出た)領域は、フロンティアであり、未開拓の分野、新しい分野、混沌とした領域である。 だけど学問・技術などの最先端でもある。混沌であるけ…